
あなたはシュガーマンのマーケティング30の法則という書籍をご存知ですか?
シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
著者(シュガーマン)はダイレクト・マーケティングの世界で大きな成功を収めた超有名な人物です。
この書籍もかなり有名な本で、マーケティング関連の人は読んでおいて損は無い内容だと思います。

というか、ぜひ読んで頂きたい良書です。とにかく、内容が理解しやすいです
最近のマーケティングで重要視されるのは顧客を創造することではなく、顧客を維持することなんですけど、この本の内容はその辺りとは違っていて、顧客に商品を購入してもらう方法について詳しく書いてあります。

マーケティングは得意だけど、セールスは苦手と言うマーケターさんは特に読んだ方が良いかも……
セールスにおいての顧客心理の動かし方についてしっかりと書かれています。
「一貫性の原理」であったり
「帰属欲求」とか
基本中の基本について書かれているんですけど、逆にそういうのは……なんとなく分かってはいるけど、具体的にはどうすれば良いのか、想像しづらかったりすると思います。
それが、実例を用いた形でかなり詳しく書かれています。
例としてあがっているエピソードが面白いので、普通に読み物としても面白いのですが、マーケターの視点で見ると、妙に合点がいくという感じでしょうか?
著者は通信販売広告のコピーライターを30年も手掛けた人物なので、主にダイレクト・マーケティングについて書かれています。
書籍の中身は30もの手法について書かれていますが、そのうちの一つを簡単に紹介しますね。
巻き込みとオーナーシップ
お客に話しかける時は、あたかも相手があなたの商品を所有しているかのように話す
お客の想像力をかき立て、購買プロセスへの参加意欲をそそる という手法です。
▼例えば、初期の頃の電卓(ライトロニクス2000という商品名)の広告のコピーの書き方例が載っています。
ライトロニクス2000を手に取れば分かる。ほら、軽いキータッチでもちゃんと反応が返ってくる。それに、このコンパクトさ、軽さはどうだ
↑
普通だと、電卓の販売コピーを考えるのに「軽くて安い!18桁まで計算できる!消費税変更機能付き」と言うような商品(機能)の説明に走ってしまいそうですが、そんな商品説明は説明書か製品の箱にでも任せておけば良いと思います。
という内容が上手に書かれている訳です。
上記のコピーの書き方例は読み手の想像力を利用していますが、ただの商品説明に終われば、それは顧客の想像力を利用していません。

つまり、そういうことです
書き方例の広告コピーを読んだ人は本当に電卓を手に取り、体験していると思い込むでしょう。
商品やサービスを「体験」させることによって、最終的には顧客を巻き込むことが重要と書かれているのです。
例えば、同じ章で下記が顧客を巻き込んだ時のエピソードとして書かれていました。これもユニークで分かりやすいです。
売ろうとしたのは電子辞書とのことです。
初めて電子辞書が世にお目見えした時はかなり斬新だった為、たちまち人気商品になったそうです。
著者(シュガーマン)は電子辞書初期の後継機にあたる、高機能モデルを売ることにしたとのことでした。
今まで世の中にはない新製品の、それも新型。そのままでも難なく売れそうですが、著者(シュガーマン)はどのようなコピーを考えたのでしょうか……
著者(シュガーマン)は高機能モデルなため、普通に販売するには値段が高すぎると考えました。
著者(シュガーマン)は少し値段を下げて売ることを考えましたが、単純に安売りをしてしまうと製造メーカーに怒られてしまいます。
(たぶん、お客様に安物というイメージがついてしまうから)
そこで著者(シュガーマン)が取った手が面白いのです。
広告分に顧客へのオファー文章を付け加えたのです。
▼それが下記です。
広告文にはスペルミスがいくつかあり、スペルミスに気付いた人は、そのスペルミス一つにつき、2ドル電子辞書をお安くします
スペルミスを10個見つければ、新製品を20ドルも値引いてもらえる訳です。
これは気が利いていると、私は思いました。
スペルミスを全部見つけられなかった人は、全部見つけられた人に比べて、高いお金を払って電子辞書を買わなければいけないが、それは仕方がない。

なぜって?その人はそれだけ電子辞書が必要だからです
この広告は大成功したようです。
このように顧客を「巻き込む」と商品は売れやすい(というか反響を呼びやすい)という内容で書かれていました。
上記のような30の手法が書かれているのです。
30の法則は、どれもマーケティングやセールスにおいては基本中の基本について、書かれていますが、それが全て上記のような分かりやすいエピソードを添えて書かれているのです。

マーケティングの教科書的な本に飽きた人はぜひ読んでみてくださいね
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